影を読む。
それは、放射線技師として2年半年働いていた僕にはわかる。
だが、一般的にはなんのことだかわからないかもしれない。
下の図を見ましょう。
読影とは、人体を医学的に検査するために特殊な方法で撮影し、その後の病気がないか見る行為のことです。
基本的にレントゲン写真を初めに撮影し読影します。その後、必要に応じてCTで検査し読影します。
CTは体の軸を360度の方向からX線を照射し、各組織特有の線減弱係数をもとに、多次元方程式を解き、体の小さい単位をBoxとし、そのボックスに線減弱係数の値の平均値を入れたものの、集まりを左のような図にして表す機能を持ちます。
読影をできるようになったら、病院でレントゲン検査、CT検査、MRI検査、核医学検査をした際に、検査データを病院からいただくことによって、自分でも家で確認ができる。
また、読影データを時系列順に見ることによって、一見異常がないように思える部位、組織が実は異常であることに気づけたりする。(同じ病院で定期検査をする場合は医者や放射線技師はその点を注視します。また、このように検査を定期的に行い時系列の変化を見ていくことを”フォローする”(Follow- Up(フォローアップ)の略)といいます。)
a.脳
b.甲状腺
c.肺(事前知識編、実践編_レントゲン、実践編_CT)、気管、気管支
d.肝臓
e.胆嚢
f.膵臓
g.脾臓
h.大腸、小腸
という部位わけでCTでの基礎読影力をつけましょう。
CT値の概念
CTでは先述したように体を小さいBoxの集合体としてとらえて計算し、画像を再構築する。
各Boxには、CT値という値が特定される。
CT値は線減弱係数のみから決められる値である。
CT値=1000×(その物質の線減弱係数-水の線減弱係数)/水の線減弱係数
目安としては、
水のCT値=0HU
水の2倍の線減弱係数をもつ物質のCT値=1000HU≒人骨
空気のCT値≒-1000(∵空気の線減弱係数はほぼ0[m-1]のため)
です。おおよそ人の体は、骨と空気を除けば-100~100ぐらいの線減弱係数のもので構築されてます。(脂肪、血管、筋肉)
また、CTでは、読影の際に、ww(Window wide)とwl(window level)を指定します。
たとえば、軟部条件と現場でいえば、
ww≒300 ,wl≒30 くらいです。
つまり、軟部組織の識別をみやすくするため、CT値の中心を30HUにし、そこから±300HUの間で真っ白と真っ黒の色を使い分けます、という意味です。
つまり、CT値330HU以上は全部真っ白に描出され、CT値-270以下はすべて真っ黒に描出されます。
・軟部条件→軟部組織の識別がしやすい設定
目安(ww≒300 wl=30)
・肺条件→肺の組織の識別がしやすい設定
目安(ww≒1500 wl=-500)
・骨条件→骨組織の識別がしやすい設定
目安(ww≒1500 wl=500)
※目安は施設によって、ある程度異なります。
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